就業規則は自社作成と社労士作成で、どこが違う?~経営者が知っておくべきリスクとメリット~

就業規則は、社員が働く上でのルールや条件を明文化した企業のルールブックです。
「自社で作ればコストを抑えられる」と考える経営者もいますが、作成方法や運用の違いによって、将来的なトラブルや法的リスクに大きな差が生まれます。

今回は、自社作成と社労士作成の違いと、それぞれのメリット・デメリットを解説します。


■1. 自社で就業規則を作る場合

メリット

・コストが抑えられる

・会社独自のルールや雰囲気を反映しやすい

デメリット・リスク

・法令違反の可能性
労働基準法や労働安全衛生法などの最新法令に沿わない内容で作成すると、後々是正勧告を受けることがあります。

・トラブル対応が難しい
残業代、退職、懲戒規定などを自社だけで判断すると、社員との争いになった際に不利になるケースがあります。

・助成金や補助金の申請が難しい
就業規則が法令に沿っていないと、助成金や補助金の対象外となることがあります。

特に、社員数が増えている会社や複雑な労働条件がある場合、自社作成では不十分なことが多いです。


■2. 社労士に作成を依頼する場合

メリット
法令遵守・安全性の確保
社会保険労務士は最新の労働法規に精通しており、法令違反のリスクを回避できます。

・労務トラブル予防
残業代、休暇、解雇・懲戒規定などを適切に設計することで、後日争いになるリスクを減らせます。

・助成金・補助金活用の支援
就業規則を法令に沿って整備することで、助成金や補助金申請時の条件を満たすことができます。

・運用面のアドバイス
社員への周知方法、改定手続き、既存規定との整合性など、実務的なサポートが受けられます。

デメリット

・自社作成より費用がかかる

・作成に少し時間がかかる場合がある

しかし、初期費用を抑えて自社作成 → 後で法的リスクが発覚 → 修正するよりも、最初から専門家に依頼して正確な規則を作る方が、結果としてコストやリスクの軽減につながります。


■3. まとめ

就業規則は、企業のルールと社員の権利を明確にする重要なルールブックです。
自社で作成する場合はコストが抑えられる反面、法令違反やトラブル発生のリスクがあります。
一方、社労士に作成を依頼すれば、法令遵守・助成金対応・運用サポートなど、多くのメリットが得られます。

特に、中小企業で社員数が増えてきた場合や、複雑な手当・休暇制度を導入している場合は、社労士と連携して作成することが、安心・安全な就業規則の整備につながります。

社会保険労務士 髙田 登史子

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