社会保険手続き「社保スポ」
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社会保険手続き「社保スポ」
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近年、従業員の家族介護をめぐる相談が増えています。
特に中小企業では、社員の「介護離職」を防ぐために、制度の整備や運用ルールの明確化が急務になっています。
その中で、「介護休業中に従業員が受け取れるお金(給付金)」について、経営者の方から質問をいただくことが多くなりました。
今回は、介護休業を取得した社員がもらえる「介護休業給付金」について、社労士がわかりやすく解説します。
介護休業とは、要介護状態にある家族を介護するために、最大93日間(3回まで分割可)休むことができる制度です(育児・介護休業法に基づく)。
対象となる家族は、配偶者・父母・子・祖父母・兄弟姉妹など、実際に介護が必要と認められる親族です。
会社としては、育児休業と同様に、就業規則への明記と、申請・承認の手続きを整備しておくことが求められます。
従業員が介護休業を取得すると、雇用保険から「介護休業給付金」が支給されます。
これは、従業員の生活を支えるとともに、介護を理由にした離職を防ぐための制度です。
▶ 支給対象者
以下の3つの条件を満たす必要があります。
・雇用保険の被保険者であること
・介護休業を取得し、実際に休業していること
・休業中に会社から賃金が8割以上支払われていないこと
※派遣社員やパートタイマーでも、雇用保険に加入して一定の要件を満たしていれば対象になります。
介護休業給付金の支給額は、
・休業開始前6か月の賃金日額 × 支給日数 × 67%
となります。
たとえば、休業前の月給が30万円だった場合、
30万円 × 67% = 約20万1,000円/月 が目安です。
申請は、会社経由でハローワーク(公共職業安定所)に提出します。
基本的な流れは次のとおりです。
・従業員が介護休業を申請
・会社が休業開始日を確認し、賃金台帳・出勤簿を整備
・休業終了後、会社が「介護休業給付金支給申請書」を作成
・ハローワークへ提出(休業終了日の翌日から2か月以内)
ポイントは、「休業期間中の賃金支払い状況」が重要になること。
給与を支給していても、賃金が8割未満であれば給付金は支給対象になります。
介護休業給付金は従業員個人に支給されますが、手続きや書類作成は会社の協力が不可欠です。
実務上、次のようなトラブルが起こりやすいので注意しましょう。
・給付対象になるか判断できず、申請期限を過ぎてしまう
・書類不備でハローワークから差戻し
・「介護休業」と「介護休暇」を混同して手続きを誤る
・給与計算上のミス
こうした誤りは、申請が遅れるだけでなく、従業員の信頼低下や離職につながることもあります。
介護休業給付金の申請は、法律上は企業でも可能ですが、実際には「雇用保険被保険者資格の確認」「賃金支払状況の証明」「支給要件の判断」など、細かな実務が多く発生します。
社会保険労務士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
・給付対象や支給額の判断を正確に行える
・書類作成・提出を代行してもらえる
・制度改正にも即応できる
・社内の人事担当者の負担を軽減できる
また、社労士が関与していることで、従業員への説明もスムーズに進み、「会社が介護に理解ある」というイメージアップにもつながります。
介護休業給付金は、社員が安心して介護と仕事を両立するための制度です。
経営者にとっても、貴重な人材の離職防止につながる重要な仕組みといえます。
ただし、制度を正しく活用するためには、
・社内ルールの整備
・申請期限の管理
・賃金支払いの取り扱い
など、専門的な知識が欠かせません。
もし「介護休業を取りたい社員が出てきたけれど、手続き方法が分からない」と感じたら、
早めに社会保険労務士にご相談ください。
私たちは、会社と社員双方が安心できる制度運用をサポートいたします。
お気軽にご連絡ください。
社会保険労務士 髙田 登史子

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