契約社員(パート・アルバイト)の社会保険・雇用保険加入について知っておきたいポイント

近年、働き方の多様化により、契約社員やパート・アルバイトといった非正規雇用者を採用する企業は増えています。
それに伴い、「社会保険や雇用保険に加入させるべきか」「要件は何か」といった疑問を抱える経営者も少なくありません。
今回は、契約社員・パート・アルバイトの社会保険・雇用保険加入について、押さえておきたいポイントを整理します。


1. 契約社員でも社会保険に加入できるのか?

結論から言うと、契約社員やパート・アルバイトであっても、一定の条件を満たせば社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する必要があります。加入義務の有無は、以下の要件で判断されます。

●社会保険加入の主な要件

勤務時間・勤務日数が正社員の4分の3以上
 - 週5日勤務で1日8時間勤務の正社員を基準にした場合、週30時間以上勤務する契約社員は原則加入対象です。

短時間労働者でも特例あり
 - 2024年10月から、週20時間以上勤務で、かつ賃金月額88,000円以上、学生ではないこと、かつ従業員51人以上の企業であれば加入義務が生じます(厚生労働省「短時間労働者の社会保険加入拡大」)。

これらの条件に当てはまる場合は、正社員と同様に社会保険料を給与から控除し、企業も半額を負担して加入手続きを行う必要があります。


2. 雇用保険の加入要件

社会保険と併せて注意したいのが雇用保険です。雇用保険の加入対象は、次の条件で判断します。

1週間の所定労働時間が20時間以上
 - 週20時間未満であれば原則加入できません。

31日以上の雇用見込みがあること
 - 試用期間であっても、31日以上勤務予定であれば加入対象となります。

年齢制限なし
 - 雇用保険は年齢に関わらず加入対象です。

このため、短時間勤務のパートであっても、週20時間以上勤務し、1か月以上の雇用見込みがある場合は、雇用保険の加入手続きを行う必要があります。


3. 試用期間との兼ね合い

経営者からよく質問されるのが「試用期間中も加入が必要か」という点です。原則として、試用期間だからといって加入義務が免除されるわけではありません。

社会保険:試用期間中であっても、勤務時間・日数の条件を満たせば加入対象です。

雇用保険:31日以上雇用される見込みがあれば、試用期間中でも加入手続きが必要です。


4. 加入にあたっての注意点

複数の雇用先との兼ね合い
 - 他社で既に雇用保険に加入している場合、副業先での加入は不要です。
 - 他社で既に社会保険に加入している場合であっても、副業先で社会保険の加入要件を満たした場合は加入が必要です。

給与計算との連動
 - 社会保険料や雇用保険料は給与計算と連動するため、手続きを怠ると後から追納や調整が必要になり、手間やコストがかかります。

法令遵守の観点
 - 加入対象者を加入させない場合、労働基準監督署や年金事務所の指摘を受け、遡及して加入手続きと保険料の納付が求められることがあります。


5. 社労士に手続きを依頼するメリット

社会保険や雇用保険の加入手続きは、法令の複雑さや給与計算との連動により、経営者が自社だけで対応するには手間がかかります。社労士に依頼することで、

・加入要件の判断ミスを防ぐ
・試用期間や短時間労働者の扱いも含め正確に手続き
・遡及手続きや各種書類の提出も安心

といったメリットがあります。特に非正規社員を複数雇用する場合は、社労士に依頼することでコンプライアンスを保ちながら業務負担を減らすことが可能です。


まとめ

契約社員やパート・アルバイトであっても、勤務時間・勤務期間の条件を満たせば、社会保険や雇用保険の加入義務が生じます。試用期間中でも条件を満たす場合は加入手続きが必要であり、加入漏れは後々トラブルの原因となることがあります。

自社の人員構成や勤務形態に合わせた正しい手続きを行うためには、社労士への相談・手続き依頼が安心です。加入対象者の漏れや計算ミスを防ぎ、適正な保険料の納付と法令遵守を実現しましょう。

社会保険労務士 髙田 登史子

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