社員から妊娠の申出があったとき、会社はどう対応すればいい?

ある日、社員から
「実は妊娠しました」
「妻(配偶者)が妊娠していまして…」
と相談を受けたとき、経営者としては、

・まず何を確認すればいいのか
・会社としてどこまで対応すべきなのか
・正しく手続きを行うことができるのか

不安になる方も多いのではないでしょうか。

妊娠・出産・育児に関する制度は、労務管理と社会保険が密接に絡む分野です。
ここでは「本人が妊娠している場合(女性)」と
「配偶者が妊娠している場合(男性)」に分けて、
会社が取るべき対応の概要を分かりやすく解説します。


① 本人(女性社員)から妊娠の申出があった場合

1.まず会社が確認すべきポイント

妊娠の申出があったら、本人に以下を確認しましょう。

・出産予定日
・体調面での配慮が必要か
・産前産後休業・育児休業の取得意向
・仕事と育児の両立に関する意向(令和7年改正)

ここで重要なのは、妊娠を理由とした不利益取扱いは禁止されている点です。
配置転換や契約更新の判断などには、特に注意が必要です。

2.産前産後休業と社会保険料免除

女性社員は、
・出産予定日の6週間前(双子以上は14週間前)から「産前休業」
・出産日の翌日から8週間は「産後休業」
を取得できます。

この期間中は、健康保険・厚生年金保険料が本人・会社ともに免除されます。
手続きをしないと免除にならないため、会社側の届出が必須です。

3.出産手当金(健康保険)

産前産後休業中、給与が出ない(または少ない)場合には出産手当金が支給されます。

・支給額:おおむね「標準報酬日額の3分の2」
・支給期間:産前42日+産後56日

「会社が払うお金」ではありませんが、会社が制度を案内し、申請をサポートすることが重要です。

4.育児休業と育児休業給付金

出産後、原則として子が1歳になるまで(条件により最長2歳まで)育児休業を取得できます。

雇用保険からは
育児休業給付金(最初の6か月は賃金の67%、以降50%)
が支給されます。

ここでも、
・取得要件の確認
・申請時期の管理
を会社が誤ると、「給付が受けられない」ケースもあります。


② 配偶者(妻)が妊娠している場合(男性社員)

近年は、男性社員からの妊娠・出産に関する申出も増えています。

1.男性も育児休業の対象

配偶者が出産した場合、男性社員も
・育児休業
・産後パパ育休(出生時育児休業)
を取得できます。

取得を理由に不利益な取扱いをすることは禁止されています。

また、配偶者の妊娠の報告があったタイミングで、出産予定日や育児休業の取得の予定等を確認しましょう。

2.育児休業給付金は男性も支給対象

男性社員も要件を満たせば、育児休業給付金を受給可能です。
「男性だから短期間しか取れない」
「給付は出ない」
という誤解が、現場ではまだ多く見られます。

会社が正しく説明できるかどうかで、社員の安心感は大きく変わります。


③ なぜ社労士に依頼した方がいいのか

妊娠・出産対応は、
・労基法
・育児・介護休業法
・健康保険法
・雇用保険法等
が同時に関係します。

・社会保険料免除の届出漏れ
・給付金の申請ミス
・就業規則と実務の不整合
これらは、後から取り返しがつかないことも少なくありません。

社労士に依頼することで、
・手続きを丸ごと任せられる
・トラブルを未然に防げる
というメリットがあります。

「このケースはどうなる?」
「うちの会社の場合は?」
そんなときは、お気軽にご相談ください。

社会保険労務士 髙田 登史子

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