令和8年度(2026年度)健康保険料率の改定について~経営者が知っておきたい5つのポイント~

令和8年度(2026年度)の健康保険料率等が確定し、社会保険の保険料負担に変化が生じます。

社会保険は給与計算や会社負担にも影響しますので、経営者のみなさまは仕組みと「改定ポイント」を押さえておくことが重要です。

本記事では、令和8年度改定の概要を5つの視点で分かりやすく解説します。


① 健康保険料率の改定スケジュール

協会けんぽの健康保険料率・介護保険料率は、令和8年3月分(4月納付分)から適用されます。協会けんぽにご加入の事業所では、給与計算の際にこの新しい料率を反映することが必要です。

なお、子ども・子育て支援金率は、令和8年4月分(5月納付分)から新たに徴収が始まりますので、同じく給与計算・控除処理のタイミングに注意が必要です。


②健康保険料率の全体傾向

協会けんぽの健康保険料率(医療分)は、令和8年度において全国平均で9.90%程度と、前年度の10.00%前後からやや低下傾向となっています。

各都道府県ごとに料率は微妙に異なりますが、東京都では9.91%から9.85%へ引き下げとなるなど、小幅な引き下げが多い傾向です。

この料率は標準報酬月額に対して適用されるもので、被保険者と事業主が労使折半で負担します。

※各都道府県ごとの具体的な保険料率と保険料は、こちらからご確認ください。


③介護保険料率の変更

40歳以上の被保険者(第2号被保険者)には、健康保険料に加えて 介護保険料率が適用されます。令和8年度は1.62%(全国一律)に変更され、前年の1.59%からわずかに引き上げられています。

この介護保険料も、被保険者負担と事業主負担を労使折半で支払います。
40歳以上の従業員がいる事業所では、保険料総額の増減を給与計算で正確に反映することが不可欠です。


④「子ども・子育て支援金率」が新設

令和8年度から新制度として、子ども・子育て支援金の徴収が始まります。これは保険料のように標準報酬月額に0.23%(2.3/1000)を乗じて算出し、事業主・被保険者で労使折半します。

この支援金は、子育て世代の支援を目的とした新たな社会保険的負担で、健康保険料と一緒に給与から控除されます。給与明細では内訳として表示することが望ましく、従業員への周知も必要です。


⑤改定が経営者にもたらす影響

今回の改定は、健康保険料率の微減・据え置き、介護保険料率の微増、そして子ども・子育て支援金率の新設という構成です。これを踏まえ、経営者が理解すべきポイントは以下の通りです。

📌総負担額の計算:
健康保険料率がやや低下しても、介護保険料や支援金分が加わるので、全体負担額の変化を正しく把握する必要があります。

📌給与計算の設定変更:
ソフトやシステムに新しい料率を反映しないと、保険料控除額に誤りが生じます。

従業員への説明: 必要な制度変更や内訳の追加について、従業員に適切に情報提供することが求められます。


まとめ:制度理解を経営戦略に活かす

令和8年度の健康保険料率改定は、給与計算・保険料負担に直接関係する重要な制度変更です。健康保険料率の小幅な低下に加え、介護保険料率の引き上げと子ども・子育て支援金率の新設が実施されます。

給与計算システムの更新や従業員への周知を怠ると、控除誤りやクレームにつながる可能性があります。これらの改定は単なる制度変更ではなく、経営のコスト構造にも影響する事項です。

初めて対応する場合や負担額の試算が不安な場合は、社労士などの専門家に相談して早期対応することをおすすめします。トラブルを未然に防ぎ、正確な処理で給与計算や社会保険手続きを進めましょう。

社会保険労務士 髙田 登史子

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