社会保険手続き「社保スポ」
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社会保険手続き「社保スポ」
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少子高齢化が進む日本では、仕事を続けながら家族の介護を担う「ビジネスケアラー」が増加しています。経済産業省でも、仕事と介護の両立支援を重要な経営課題として位置付けており、企業にも柔軟な対応が求められる時代になりました。
そのような中で、多くの企業担当者が混同しやすい制度が「介護休業」と「介護休暇」です。
名称が似ているため、「どちらも介護のために休める制度」という認識にとどまっているケースも少なくありません。しかし、実際には制度の目的や取得できる日数、利用する場面は大きく異なります。
制度を正しく理解していないと、従業員への誤った案内や法令違反につながる可能性もあります。
今回は、それぞれの制度の違いと、企業が押さえておくべきポイントについて解説します。
介護休業は、介護が必要になった際に、介護体制を整えるために一定期間まとめて休業できる制度です。
対象となる家族が要介護状態になった場合、対象家族1人につき通算93日まで取得することができ、最大3回まで分割して利用できます。
ここで重要なのは、介護休業は「介護をするためだけの制度」ではないという点です。
例えば、
・介護サービス事業者との契約
・ケアマネジャーとの打ち合わせ
・介護施設の見学や入所手続き
・家族間での介護分担の調整
など、今後継続して介護を行うための環境を整えることを目的としています。
つまり、介護休業は「介護生活をスタートさせるための準備期間」と考えると分かりやすいでしょう。
また、会社から給与が支給されない場合でも、一定の要件を満たせば雇用保険から介護休業給付金を受給できる可能性があります。
企業としては、休業制度だけでなく給付金についても案内できるようにしておくと、従業員の不安軽減につながります。
一方、介護休暇は、日常的な介護や各種手続きなどのために、短期間取得できる制度です。
介護休暇は、まとまった休業ではなく、必要な日に取得できることが特徴です。
例えば、
・病院への通院の付き添い
・デイサービスへの送迎
・ケアマネジャーとの面談
・介護認定の手続き
・介護用品の購入や各種行政手続き
など、日常生活の中で発生する介護関連の用事に利用されます。
取得できる日数は、対象家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日です。
また、時間単位で取得できるため、午前中だけ病院へ付き添い、その後出勤するといった柔軟な利用も可能です。
さらに、令和7年4月の法改正では、これまで労使協定により対象外とできた勤続6か月未満の労働者についても、原則として介護休暇を取得できるよう制度が見直されました。
企業は就業規則や社内ルールが法改正に対応しているか、一度確認しておくことが重要です。
介護休業と介護休暇は、どちらも仕事と介護を両立するための制度ですが、その目的は大きく異なります。
介護休業は、介護体制を整えるために一定期間まとめて休む制度であり、介護休暇は、日常的な介護や通院の付き添いなど、必要な日に取得する制度です。
従業員が安心して働き続けられる環境を整えることは、人材確保や離職防止にもつながります。実際に介護を理由とした離職は企業にとっても大きな損失となるため、制度を正しく理解し、利用しやすい職場環境を整備することが重要です。
また、近年は育児・介護休業法の改正が続いており、企業には就業規則の見直しや従業員への制度周知も求められています。
「法改正に対応できているか不安」「就業規則を見直したい」「介護と仕事を両立できる職場づくりを進めたい」とお考えでしたら、ぜひ社会保険労務士事務所Labor Partnerまでお気軽にご相談ください。
社会保険労務士 髙田 登史子

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